視察・調査

2023年度 資源循環分科会
第3回サーキュラーエコノミー型ビジネス創出研究会(現地見学会)

はじめに

EPOCでは、先導的な循環ビジネスの振興を支援するため、愛知県と共同で「循環ビジネス創出会議」(現地見学会)を開催しています。
今回は、「2023愛知環境賞」において金賞及び銀賞を受賞した2企業を訪問し、優れた技術や取り組みについて、現場視察を交えてご紹介いただきました。見学会にはEPOC会員、一般応募者よりご参加され、循環(環境)ビジネスへのご理解をより一層深めていただきました。

開催日時 2023年11月29日(水) 9:30〜16:00
見学先 [1]東海旅客鉄道株式会社 名古屋車両区
[2]株式会社ハーツ 三好工場
参加者 [1][2]16名

東海旅客鉄道株式会社 名古屋車両区

【概説】
大容量の蓄電池を付加した高度な充放電制御システムを開発し、鉄道走行に必要なエンジン台数を削減することで省エネルギー化を可能とした国内最速の新型ハイブリッド車両の実用化に成功したことは、カーボンニュートラルの実現による脱炭素社会の形成に大きく貢献するものと高く評価され、「2023年愛知県環境賞」金賞を受賞しました。

【見学内容】
(1) 概要説明(HC85系の紹介)
(2) キヤ庫見学

同社の新型ハイブリッド車両「HC85系」は、特急「ひだ」「南紀」で運用されている特急車両です。駆動システムには、高い走行性能、高効率化、小型化を追求したハイブリッドシステムを搭載することで、エンジンを1両あたり2台から1台に削減し、安全性・快適性・環境負荷の軽減等が大幅に向上しています。蓄電池の大容量化、機器の小型化、蓄電池の負担軽減などの駆動システムについて、スライドとパンフレットを用いて、ご説明いただきました。

その後、実際の車両見学の為、敷地内のキヤ庫にて、車両内の客室の他、運転席や床下にてエンジンも見学させていただきました。車内設備は、快適且つデザイン性の高い座席や、沿線の伝統や文化を鑑賞できる「ナノミュージアム」、バリアフリー設備など、利用者が快適且つ楽しめる工夫がされていました。


概要説明

集合写真

車両内見学

株式会社ハーツ 三好工場

【概説】
食品廃棄物を餌としたアメリカミズアブの養殖を実現するとともに、高タンパクな飼料として製品化する国内初のビジネスモデルの構築に取り組んでいることは、サーキュラーエコノミーへの転換による循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価され、「2022愛知環境賞」銀賞を受賞しました。

【見学内容】
(1) 概要説明(事業内容等)
(2) 工場見学

同社は、収集運搬業として回収した廃棄食品を、処分業として選別・破砕、乾燥させ、処分する内の一部をミズアブの飼料として加工し、加工された飼料は、同施設内の株式会社エルメティアがミズアブの養殖に使用し、その幼虫を高付加価値な飼料として販売する事業に挑戦しています。また、この事業は高タンパク源の食材にも応用でき、世界の食糧危機を救う「次世代タンパク質製造事業」として発展性のビジネスモデルであると注目されています。まず、このサーキュラーエコノミーの仕組みをスライドとパンフレットによりご説明と質疑応答をしていただきました。

その後、施設内の養殖設備(卵から成虫までの飼育)と飼料製造(幼虫への給餌)を見学させていただきました。実際に間近で幼虫を見学しながら、工程について質疑応答も交えて詳しくご説明いただきました。


概要説明

集合写真

施設内見学