視察・調査

2014年度 第1回循環ビジネス創出会議(現地見学会)

はじめに

EPOC循環型社会分科会では愛知県と協力し、モノづくり県としての産業技術の集積を活かして、先導的で効果的なリサイクル事業を生み出し、資源循環型社会の形成を促進することを目的として『循環ビジネス創出会議』を開催し広く社会の資源循環を推進しています。
今回は、「2014愛知環境賞」を受賞された企業を訪問し、資源循環や省電力の優れた技術や取り組みについて、現場視察を交えてご紹介いただきました。見学会にはEPOC会員、一般応募者、自治体関係者より、多くの方がご参加され、循環(環境)ビジネスへのご理解をより一層深めていただきました。

開催日時: 平成26年7月14日(月曜日)8時50分〜17時30分
見学先: [1]富士機械製造株式会社(知立市山町茶碓山19)
[2]東海旅客鉄道株式会社 リニア・鉄道館(名古屋市港区金城ふ頭3-2-2)
[3]ブラザー工業株式会社 ブラザー コミュニケーション スペース(名古屋市瑞穂区塩入町5-15)
参加者: 38名

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    [1]富士機械製造株式会社 (愛知県知立市山町茶碓山19番地)
    消費電力の削減を実現した「電子部品自動装着機(NXTIII)」等に関する説明・見学
    〜2014愛知環境賞優秀賞受賞〜


    【概説】
    同社はスマートフォン等の製造工程において電子部品実装点数を増加させる超高速ヘッドを開発し、高剛性かつ軽量な構造を実現した電子部品自動装着機に搭載することで、単位時間あたりの装着点数の増加や消費電力の大幅削減を実現。こうした取組は、エネルギー削減に貢献するとともに、社会的貢献が大きいと高く評価され、「2014愛知環境賞優秀賞」を受賞されました。


    【見学内容】
    はじめに、グローバルに事業を展開されている同社の会社概要、省エネ対策、環境への取り組み及び今回、愛知環境賞優秀賞を受賞された電子部品自動装着機(NXTIII)について、ご説明いただきました。
    その後、同社がユニー(株)とコラボで取り組んでおられる「パブリックストッカシステム(ロッカー型受取り装置)」をご紹介頂きました。利用者が注文した商品が、このストッカーに届くシステムは輸送等の合理化の面においてCO2削減につながり、また働く女性の支援策の一環として大変、好評であるとのお話でした。
    また、ショールームでは電子部品自動装着機(NXTIII)のデモ機の前で、そのシステムや機能についてご説明いただいたあと、デモンストレーションにて実際の機械の動きを見せていただきました。目に見えないほど小さな部品をエアーで吸い取ってから基板に正確に実装していく機械のスピードの動きの速さに驚嘆の声があがっていました。ショールームでは自動化・省人化ツールや介護用サポートロボットについても実際の動きを見せていただき、その正確さやアイディアの素晴らしさを現地現物で確認することができました。

    概要説明/ショールーム(電子部品自動装着機(NXTIII)

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    [2]リニア・鉄道館 (名古屋市港区金城ふ頭3-2-2)
    高い環境性能を実現した省エネ型新幹線車両N700Aの開発等についての説明及び施設見学
    〜2014愛知環境賞金賞受賞〜


    【概説】
    同社は空力特性に優れた先頭形状による走行抵抗の低減や車体傾斜システムの導入により加減速の頻度の減少を図るなどの取組により、車両の省エネルギー化を高め、使用電力量削減などエネルギー削減に大きく貢献したとして、その実績が高く評価され、「2014愛知環境賞金賞」を受賞されました。


    【見学内容】
    はじめに、同社の会社概要、東海道新幹線車両の変遷及び今回、愛知環境賞金賞を受賞された省エネ型新幹線車両『N700A』の開発についてご説明いただきました。この車両はこれまでのN700系をベースにして中央締結ブレーキディスク、定速走行装置、新型制振パネルや吸音床といった高度な技術を取り入れることにより、『安全・信頼・快適・環境』といった4つの価値をさらに磨き上げた省エネ型新幹線車両であるとのお話を伺いました。また、走行抵抗の低減、車両重量の低減、車体傾斜システムの導入、電力回生ブレーキの拡大、車内照明電力の低減、リサイクル性の向上といったN700Aの省エネルギー技術についてもご紹介いただきました。
    その後、館内にてシンボル車両についての映像を見ながら、高速鉄道の歴史についてご説明いただき、実際に、館内にて在来線から超電導リニアまでの39両もの車両や鉄道のしくみや歴史についての展示を見学させていただきました。高速鉄道の進化は日本の産業の発展に大きく貢献しているばかりでなく、鉄道の優れた特性を発揮させることで地球環境保全への貢献にもつながることを認識することができました。

    概要説明/リニア・鉄道館

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    [3]ブラザー工業株式会社 ブラザー コミュニケーション スペース (名古屋市瑞穂区塩入町5-15)
    環境スローガン「Brother Earth」のもとでのグローバルな地球環境配慮への取り組み等についての説明及び施設見学
    〜2014愛知環境賞金賞受賞〜


    【概説】
    同社は、待機電力の大幅な削減を実現した「グリーンスタンバイ」を内蔵するプリンティング機器をはじめとする環境負荷低減に配慮したモノ創りや、各国の法規制に対応した管理基準を達成するために独自の環境情報システムを構築するなど、同社の環境経営は、地球環境に配慮したモノ創りのモデルとして、社会的貢献が大きく、その実績が高く評価され「2014愛知環境賞金賞」を受賞されました。


    【見学内容】
    はじめに、同社の会社概要及びブラザーグループ環境活動についてご紹介頂きました。同社は環境スローガン「Brother Earth」に基づいて、企業活動のあらゆる面で地球環境への配慮に前向きで継続的な取り組みを実施されている旨ご説明頂きました。具体的には法規制対応、広報活動、ブラザーエコポイント活動、環境情報システム、CO2排出量削減といった活動の他、小型軽量化の実現、使用していない時の待機電力をできるだけ小さくする低待機電力技術「グリーンスタンバイ」、工作機械でモーターの回転を止める際に発生するエネルギーを電力として再利用する電源回生、製品の外装に環境に負担のかかる塗装をしないで、塗装したかのような外観を持たせる樹脂成型の技術といった環境に配慮した製品の開発についてもご紹介頂き、その環境配慮製品の性能の高さを改めて認識しました。
    その後、ブラザー コミュニケーション スペース館内をご案内頂き、世界初のミシン(複製)をはじめとする国内外の年代ミシン(歴史的あるいは美術的価値のあるミシン)を見せて頂き、最新製品の展示場所では情報通信機器やレーザープリンター、また、先に紹介頂いた環境配慮製品の機能や環境性を実際に確認することができました。

    概要説明/環境配慮製品