視察・調査

EPOC低炭素社会分科会「中電メガソーラーたけとよ&碧南火力発電所視察」第2弾

【はじめに】

低炭素社会分科会では、低炭素社会に向けた先進取り組み事例や革新技術の調査・研究を通じ、EPOC会員各社のレベルアップと相互交流ならびに連携の促進を図っています。
今回は昨年11月25日に開催し参加者の皆様に大変好評頂きました『中電メガソーラーたけとよ&碧南火力発電所』視察の第2弾を3月14日に実施いたしました。『碧南火力発電所』及び昨年10月31日に運転を開始したばかりの『メガソーラーたけとよ』を訪問し、発電の仕組みやエネルギーの効率化、また環境への取り組みについてご紹介頂きました。また『武豊火力発電所』を訪問し、長期計画停止を見送り稼動している発電機の再稼動までの過程について、ご説明頂き発電設備を見学させて頂きました。


開催日時 平成24年3月14日(水曜) 9時〜16時30分
見学先 1.碧南火力発電所、チップヤード
2.メガソーラーたけとよ
3.武豊火力発電所
参加者 53名

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    1.碧南火力発電所(愛知県碧南市港南町)


    【概説】

    碧南火力発電所は石炭火力としては国内最大、世界でも最大級の発電所であり、発電所の主要設備であるボイラ、タービン、発電機に加え、貯炭場、灰捨地、環境設備等の石炭火力発電所特有の設備が配置されています。視察では火力発電所の仕組みやバイオマス混燃発電への取組みなどについて、ご説明頂いた後、タービン建屋内、屋上及び貯炭場を含む各設備を見学させて頂きました。また、今回は発電機のタービンの取替え期間中とのことで、これまで使用されていたタービンと新しいタービンを見学することができました。新しいタービンはタービンの両羽根のサイズを大きくするなどして発電の効率化を図る工夫がされているとのご説明を頂きました。

    「碧南火力発電所」と「新しいタービン」の写真


    【チップヤード】

    碧南火力発電所を見学させて頂いた後、バイオマス混焼発電に使用されるチップが保管してあるチップヤードへと向かいました。チップヤードには数日前に4万トンクラスのチップ船から荷揚げされたばかりのチップがうず高く積み上げられており、マツの木を原料とするチップからは、ほんのり木の香りがしました。チップはチップヤードで保管された後は、トレーラーに積み込まれ、バイオマスサイロへと搬入され、送炭コンベヤに投入されて効率的に搬送されバイオマス混焼発電に使用されています。

    「積み上げられたチップ」と「チップ山(高さ10m)」の写真

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    2.メガソーラーたけとよ(愛知県知多郡武豊町字竜宮)


    【概説】

    『メガソーラーたけとよ』は昨年10月31日に運転を開始したばかりの中部地区最大級の大規模太陽光発電所です。ナゴヤドーム3個分に相当する敷地内(約14万平方メートル)に縦1.3メートル横1メートルの太陽光パネルを39,168枚設置しています。太陽光パネルすべてに光が当たりやすいように、真南に向けて地上に対して20度の傾斜をつけています。年間の発電量は約730万kWhを見込んでおり、これは一般家庭約2,000世帯分の年間使用電力量に相当します。視察ではPRホールにおいて説明を受けた後、展望台から『メガソーラーたけとよ』の全景を一望させていただきました。また、その発電量は発電電力表示板に表示され、太陽光発電による発電量を実際に確認することができました。

    「発電電力表示板の前にて撮影された参加者の皆様の写真」と「一面に並ぶソーラーパネルの写真」

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    3.武豊火力発電所(愛知県知多郡武豊町字竜宮)


    【概説】

    武豊火力発電所の約66万平方メートルの敷地内には4機の発電機があります。昭和41年に1号機、昭和46年に2号機〜4号機の運転が開始されて以降、長期に渡り電力供給していましたが、平成13年以降は長期計画停止などにより発電量が減少していました。平成23年の浜岡原子力発電所の全台停止要請を受け、計画していた3号機の長期計画停止を見送り、停止していた2号機を再稼動して電力を供給しています。平成23年度は前年度の約5倍の発電量となる約65,581万kWhの発電実績となっています。運転再開にあたっての修理や点検及び運転要員の確保といった発電所の皆様の取り組みについてのお話を伺い、また、実際に稼動している発電設備を見学させて頂き、改めて電力の安定供給の大変さを認識しました。

    武豊火力発電所での見学の様子