視察・調査

2010年度 第4回循環ビジネス創出会議(現地見学会)

はじめに

EPOCでは、昨年度同様に「あいちエコタウンプラン」を推進されている愛知県と連携し、モノづくり県としての産業技術の集積を活かして、先導的で効果的なリサイクル事業を生み出し、資源循環型社会の形成を促進することを目的として、「循環ビジネス創出会議」を開催しています。

今回は、「2010愛知環境賞」銀賞を受賞されたリンナイ(株)と、王子製紙(株)を見学させていただきました。参加されたEPOC会員、一般応募企業、自治体関係者より、活発なご意見・ご質問を頂戴し、循環(環境)ビジネスへのご理解をより一層深めていただきました。


開催日時 平成22年11月4日(木曜)
見学先 [1]リンナイ(株)瀬戸工場
[2]王子製紙(株)春日井工場
参加者 50名



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    [1] リンナイ(株)瀬戸工場(愛知県瀬戸市)

    【概説】

    潜熱回収給湯器をはじめとする高効率燃焼機器・システムのグローバルな事業展開により、「2010愛知環境賞」銀賞を受賞。1999年に、従来機に比べ熱効率を約12%向上させ95%を達成した潜熱回収給湯器「エコジョーズ」を業界に先駆けて開発し、これまでに累計36.2万台を販売し、6.6万トン/年のCO2削減を実現した。また、貯湯式給湯器が大半を占めていたアメリカで、熱効率を82%まで高めたガス瞬間式給湯器を累計で63万台販売し、25.2万トン/年のCO2削減を実現し、アメリカ省エネ推進機構ASEよりエネルギー効率大賞を受賞した。オーストラリアでは、太陽熱温水器とガス給湯器を組み合わせたソーラー給湯システムを販売し、EU向けにスターリングエンジンを用いた家庭用コ・ジェネレーションシステム販売するなど省エネルギー機器の開発・普及を通じて地球規模での有限エネルギーの活用を図っている。今回は、その潜熱回収給湯器の製造工場を見学した。


    第4回循環ビジネス創出会議の様子

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    [2] 王子製紙(株)春日井工場(愛知県春日井市)

    【概説】

    紙パルプ産業はエネルギー多消費型産業であるが、王子製紙(株)では、省エネルギーを最重要課題に掲げて、化石燃料からRPF(再生の困難な古紙と廃プラスチックを混合した固形燃料)および廃タイヤなどの廃棄物燃料や黒液(木材チップからパルプ生産工程で出る植物性廃液)などバイオマス燃料への転換を進めている。また、同社は1997年に環境憲章を制定し、「森のリサイクル」として海外植林を進めており、2009年の海外植林面積は、24万ha(神奈川県とほぼ同じ)に達した。さらに同社では、「紙のリサイクル」として年間約500万トンの古紙をリサイクル原料として使用しており、環境負荷低減に努めている。今回は、同社の省エネルギー・リサイクル技術の粋を集めた最新鋭工場を見学した。

    第4回循環ビジネス創出会議の様子2