交流会

「第32回EPOC意見交換会 ~会員企業のレベルアップ・相互交流~」報告

開催日
:2023年12月21日(木曜日) 15時30分~17時00分
 講演会  : 15時30分~16時30分
 意見交換 : 16時30分~17時00分
会場
:サイプレスガーデンホテル 2階 「天舞の間」
参加人数
:91名(当日参加者数)

【概要】

 EPOC会員企業の環境への取り組みについての情報共有により、会員の更なるレベルアップと会員相互の意見交換の活性化を図るために「第32回EPOC意見交換会」を開催しました。

 今回は、株式会社荏原製作所 法務・総務・内部統制・リスク管理統括部 リスク管理部 部長 後藤 雄三 氏をお招きし、「荏原グループの環境への取り組み“ 技術で、熱く、世界を支える ”」をテーマにご講演いただきました。


 最初に会社の歴史や会社概要をご説明いただきました。冒頭に創業の精神である「熱と誠」についてお話いただき、創業者の「自ら創意工夫して仕事に取り組み、やり遂げたいと思う熱意と誠心をもって人に接すれば相手に通じないことはない。」という考え方が100年以上しっかりと受け継がれていることに感銘を受けました。

 また、荏原製作所では創業以来の主力製品であるポンプを柱として、送風機、タービン、冷凍機などの風水力を媒体とする機械製造において、世界トップクラスの高い技術力を持ち、その培った技術を生かして半導体や電子部品の製造に必要な真空ポンプ装置やCMP装置などの製造も行っていることを動画も交えながらわかりやすく教えていただきました。

 次に荏原製作所の長期ビジョン「E-Vision2030」~2030年にありたい姿~についてご説明いただきましたが、CO2約1億トン相当の温室効果ガス削減や現在の3倍となる6億人に水を届けるなどの高い目標を掲げ、全社一丸となって社会課題に取り組んでいる姿勢に、長期ビジョン達成への本気度を感じることができました。

 その後、事業所における省エネ活動やグリーン電力の導入、気候変動に対する「適応」の取組み、事業活動における廃棄物管理、社内啓蒙活動などカーボンニュートラル実現に向けた様々な取組みをご説明いただきました。

 特に社内啓蒙活動では一般的なeラーニングを活用した環境教育以外に誰でも参加可能な勉強会を昼休みに今まで11回開催し、気候変動の知識やグループのカーボンニュートラルへの取組みを共有することで環境活動を自分事として捉え、各職場の機運を高めていることはとても参考になりました。

 製品・事業による環境への取組みとしてはインバータ内蔵PMモータによる省エネ提案、インジェクションポンプによるCO2の地中貯蓄、IoTでメンテナンスの最適化を実現するEBARAメンテナンスクラウド、ごみを資源に変える「CRストーン」(焼却灰リサイクル素材)、廃プラスチックのケミカルリサイクルなどをご紹介いただきました。

 将来に向けた挑戦としてターコイズ水素(CO2フリー水素)の製造開発、液体水素昇圧ポンプの開発、燃料アンモニア用ポンプの開発、水素焚吸収冷温水機の開発、陸上養殖事業などについてもご説明いただきました。

 最後にお話しいただいた「世界で6億人に水を届ける」アフリカでの給水プロジェクトや超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」のエンジン用ターボポンプの開発はスケールが大きく、いつも社会のために役立つことを考え続けている荏原製作所の皆さんにしかできない夢のある挑戦だと思いました。

 講演後の意見交換では、事前に参加者から寄せられた多くの質問に対して、当日会場で講演を聴講した参加者から質問を受け付ける時間が無くなるほど丁寧に、そして解り易くご回答いただき、大変有意義な意見交換会となりました。

講師 後藤氏

会場の様子