交流会

「2021愛知環境賞 記念講演会」実施報告

開催日
:2021年3月16日(火曜日)~31日(水曜日)
開催方式
:オンライン(YouTube)
参加人数
:624名(延べ)

【概要】

 例年、愛知環境賞表彰式と同日開催をしている記念講演について、今回は感染症防止対策としてYouTube配信を上記の期間で執り行いました。
 今回は、一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパン 代表理事 中石 和良氏を講師にお招きし、「サーキュラーエコノミーの本質と企業活動の在り方」をテーマにご講演をいただきました。

 講演では、欧州を始めとした世界各国の政策動向や企業の最新事例に関するサーキュラーエコノミーのメガトレンドについて解説いただきました。
 また、サーキュラーエコノミーはSDGs達成の実践的な方法として世界中から注目されている考え方で、背反するものが多い17のゴールのうち10程度はサーキュラーエコノミーによって解決へ導けると教えて頂きました。持続可能な社会を目指すための手段として、サーキュラーエコノミーの考え方が非常に重要になってくることが理解できました。
 また、サーキュラーエコノミーを3Rの延長線と捉えがちだが、それとは全く考え方が異なっていることやサーキュラーエコノミーの原則で設計されていない製品をいくらシェアリングしたとしても真に持続可能なものにはなりえないということをご説明いただき、サーキュラーエコノミーの本質を理解し、長期的な事業戦略の中へ落とし込んでいくことの大切さを実感しました。
 講演の最後では、様々なPaaS(Product as a Service)モデルが海外で展開され始めており、こうしたモデルが事業として主流になる将来においては、従来型のビジネスは競争力を失い生き残ることができなくなってしまうとの危機感を強調されました。日本企業は従来の3Rで世界をリードしてきたが、サーキュラーエコノミーにおいても速やかにビジョンを確立して、事業転換を推し進め、世界を再びリードしていただきたいといったメッセージで締めくくられました。

 質疑応答では、サーキュラーエコノミーへの移行はどのくらいの時間軸で進むのか?その中における企業への影響は?中部圏での先進事例は?欧州等に勝っていくために必要なことは?などのたくさんの質問に対して丁寧に回答頂きました。
 サーキュラーエコノミーへの移行という大きな潮流の中でも、まだ日本企業にも十分にチャンスがあることや、環境のための取組みだけではなく、事業存続をかけたビジネスモデル転換の中で、製品やサービスを始めとした事業領域をいかにサーキュラーエコノミーの原則に適合させていくのかが重要であるという気付きが得られ、大変有意義なものとなりました。

環境パートナーシップ・CLUB(EPOC) 会長会社事務局
資源循環分科会事務局
海外チーム事務局


講演収録時の様子

講師 中石氏