海外交流

AOTS殿 中国研修生との交流


活動の内容

 さる12月2日、(株)デンソー 本社・高棚製作所において、(財)海外技術者研修協会(以下、AOTS(※))の海外研修生の皆さん(中国)と交流会を実施しました。

(※) AOTS…The Association for Overseas Technical Scholarshipの略。

 AOTS殿は、日本における初めての民間ベースの技術協力を推進する機関として、1959年に設立。海外の産業技術者及び経営管理者の研修を通じて国際経済協力を推進し、相互の経済発展及び友好関係の増進に寄与することを目的とされています。
(詳細は、http://www.aots.or.jp/をご参照下さい)

 研修生は総勢27名。自動車関連や電子製品等の製造・販売企業の役員・管理職の皆さんで、11月中旬〜12月初旬の3週間、中国企業経営研修コースに参加されていました。

 交流会には、EPOC(海外交流分科会)より6名が参加しました。デンソー殿のご挨拶の後、海外交流分科会を代表して、日立製作所 神田よりEPOC概要とメンバー紹介を行いました。

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10:00 デンソー殿ご挨拶
10:10 EPOC代表者挨拶と概要・分科会活動の紹介
10:30 デンソー概要及び環境への取り組みの紹介
10:50 ギャラリー見学
〜 移動・昼食 〜
13:20 高棚製作所の紹介
14:00 工場・施設見学(コンビネーションメータ等、資源ステーション、ビオトープ)
16:00 質疑応答 (16:30終了)

 デンソー安全環境推進部 グローバル推進室 棚橋室長からは、会社概要と環境への取り組みを ご説明頂きました。デンソー殿は、世界の30ケ国・地域で事業展開されている世界トップレベルの自動車部品サプライヤーですが、環境・快適・安全・利便の4つのコンセプトをベースとして環境対応をされており、公害防止⇒地球環境⇒環境経営のステージとして時代を捉えてみえました。また、海外地域別環境委員会(欧州・アジア・中国・北米)にて、グローバルな環境対策も実施されている他、環境を重視した製品(エコプロダクツ)の開発を通じて、環境技術で「新しい価値」の創造と提供にチャレンジされているとのことでした。同社のコモンレールやフロンフリーカーエアコン、エコキュートなどの環境配慮製品の紹介に、研修生の皆さんは熱心に耳を傾けていました。更に、開発・設計段階で環境を事前評価する「製品EMS」を継続的に改善実施している点や、順法・パフォーマンス・自然との共生の3つを柱としたEDCO工場展開活動(デンソーエコファクトリー)、デンソーエコポイント制度(DECOポン)といった、ユニークな活動もご紹介頂きました。

 今年2月にオープンした新ギャラリーでは、同社の歴史と世界に先駆けて開発された製品の数々を映像と実機で見学しました。中国語でも紹介されていた為、研修生の皆さんは各コーナーに立ち止まって熱心にご覧になっていました。創業時の洗濯機や産業用ロボット、QRコードといった自動車関連以外の事業や103インチ大型可動モニターと床面に映し出されるシアターコーナーにも興味津々の様子でした。

 その後、高棚製作所へ移動しました。高棚安全衛生環境の小田グループリーダーより、同製作所の概要、取扱い製品について紹介を頂きました。1974年操業開始の同製作所は、「地域社会との共生」を最も重視されており、コンビネーションメーターや各種センサー、カーナビ等を中心に生産されているとのことでした。多種・多機能製品を流れでつくる“STREAM工場”というコンセプトの工場見学では、各所で小田さんの説明を聞きながら、食い入るように先進の生産ラインを見つめていました。効率的且つ環境に優しい生産現場を後にし、資源ステーションと排水処理場、ビオトープと順に見学しました。中でもビオトープは、ドイツ語でビオ(Bio「生物」)+トープ(Tope「場所」)という命名通り、環境の保全と復元に留意したスペースでした。工場構外に設置し、地域関係者に広く開放されているとのことでしたが、見学時も近隣の小学生が集っており、地域に根ざした環境活動の一環であることがよく分かりました。

 交流会場に戻り、質疑応答となりました。「リサイクルに関わる経費、コスト負担元は?」「補助金の有無」「環境の予算編成方法」「デンソーの環境への取り組みは日本企業のスタンダードなのか?」「教育、小集団活動の成果指標は?」等々沢山の質問が出ました。

 研修生の関心の高さとデンソー殿の丁寧な説明により、質疑応答は30分以上となり、終了時間を過ぎる程の活発な交流会となりました。AOTS殿とは、今後も交流を継続して参りたいと思います。また、この場をお借りまして、交流の場を設けて頂きました、デンソー関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

以上