海外交流

JICA殿 メキシコ研修生との交流


活動の内容

 さる10月3日、新日本製鐵竃シ古屋製鐵所において、メキシコからのJICA研修生(※)と交流会を実施しました。
(※)独立行政法人 国際協力機構(JICA:Japan International Cooperation Agencyの略)

今回は、日墨交流計画の全社的品質・生産性向上研修コースに参加(日本の滞在期間は、3/12〜10/13)の方々でした。
研修生の皆さんは総勢12名。自動車関連企業の現地法人、建設業、大学等に勤務されている技術者、品質保証関係、教官等多岐に渡りました。
交流会には、EPOC(海外交流分科会)より9名が参加しました。冒頭 交流促進部会長(日本ガイシ(株)小塚部長)の英語による挨拶、続いて海外交流分科会を代表して(株)日立製作所 神田よりEPOCの概要と活動内容を説明し、分科会メンバーより簡単な自己紹介も行いました。

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13:30 EPOC代表者挨拶
13:40 EPOC活動の紹介
14:00 新日本製鐵 会社概要・環境への取り組み紹介
14:40 工場見学(熱延工場、ASRリサイクル工程)
16:10 質疑応答 (17:00終了)

 新日本製鐵殿の会社紹介ビデオを見た後、 同社 総務部 環境防災グループ 龍田グループリーダーより、会社概要と環境への取り組みについて説明頂きました。新日本製鐵殿は、日本を代表する製鐵会社ですが、今回交流の場となった名古屋製鐵所は、中部経済界の期待を担って誕生した中部圏唯一の銑鋼一貫製鉄所です。

 6mm以上を厚板と呼ぶそうですが、厚板は高層ビル・船舶・橋梁・LNGタンクで利用されているとのことでした。薄板系では自動車向けが主力とのことでしたが、ボディ・サスペンション・ホイール等で、名古屋製鐵所殿が開発し、業界に先駆けて実用化したものも沢山ありました。

 同製鐵所の敷地は623万u、10%以上の緑化率であり、環境にも優しい事業所であることが分かりました。

 休憩を挟み、いよいよ工場見学となりました。広大な敷地をバスで移動する最中、大型のキャリーカーと擦れ違い、また各建屋・設備の説明を受けながら入口に到着しました。

 最初に見学したのは、スラブがホットコイルへ造り込まれ、コイルとなるまでの熱延鋼板の製造工程でした。真っ赤な鉄板が高速で圧延される仕上圧延機の迫力に、研修生の皆さんは真剣な表情で見入っていました。大量の水で冷却する場面では、「水はリサイクルなのか」等質問が多数出ました。

 続いて、ASR(自動車シュレッダーダスト)のリサイクル設備を見学させて頂きました。こちらでは、廃棄自動車の再利用できない部分をシュレッダー処理し、取り出した屑を活用に取組まれていました。

 従来、このような屑は大半が埋め立てられていましたが、同所では現在3.6万トン/年の処理が可能であり、資源の有効活用を通じて社会に大いに貢献されていると感じました。

 交流会場に戻り、質疑応答となりました。「自動車リサイクル法規制への対応は理解するが、ASRによる会社へのメリットは何か」「ASRから出る銅は自社利用しているのか」等々活発な質問が出ました。
省エネのメリットよりも、ASRリサイクル自体に意義があるとの説明には、企業の社会的責任を垣間見た想いで、研修生の皆さんは深く頷いてみえました。

 研修生の関心の高さと新日鐵殿の丁寧な説明により、予定時間を忘れる程活発な交流会となりました。

 JICA殿とは、今後も交流を継続して参りたいと思います。また、この場を借りまして、交流の場を設けて頂きました、新日本製鐵竃シ古屋製鐵所 関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

以上