第12回EPOC視察調査(化学工学会との共催)
「バイオマスニッポン」
 
視察目的
循環型社会の構築という重要な課題を前にして、日本の国土の2/3を占める豊かな森林が放置されています。自然を代表する「森」の現状と、再生可能な「木」の活用への取り組みについて視察を行った。

視察日時
平成15年11月21日(火) 9:00〜16:30 

参 加 者
一般参加者 38名、 講師 3名、事務局 2名   計 43名

視察先の概要

山本木材(株)「木材チップの見学」
バイオマスプラントに燃料チップとして使用される「木材チップ」の製造所を見学した。山本木材では、「燃料チップ」のコスト面で重要な要因となる、木材の破砕方法についての見学と説明を受けた。小型移動式チョッパーを搭載した「現地破砕」と大型の移動式破砕機を使用した「破砕施設」については、木質バイオマス普及面でのコスト削減などに有用であるとされている。

中部森林開発研究会岐阜支部「森の資源とこの先」
講師:多治見史憲(中部森林開発研究会岐阜支部長)
1. 森林バイオマスの発生別種類
2. 森林バイオマスの現状
3. 森林バイオマスの今後

岐阜県立森林文化アカデミー「演習林の見学」
森林文化アカデミーは岐阜県立の新タイプの専修学校として、「山づくり」「木造建築」「環境教育」を主体とした研究・教育を行っている。今回は、「山づくり」の教育を行う演習林の見学を行う予定だったが、あいにくの雨天により森林口での解説を受けるにとどまった。

岐阜県立森林文化アカデミー「地球温暖化防止と木質バイオマスエネルギー利用」
講師:熊崎 実(岐阜県立森林アカデミー学長)
1. 温暖化防止と森林の役割
2. 温暖化防止のための5つの林業戦略
3. 海外と日本のバイオマスエネルギー利用の現状
4. 自然エネルギーによるCO2削減の可能性とコスト

(株)シーテック「バイオマス高効率発電利用技術」
講師:西崎 明雄(株式会社シーテック技術開発部課長)
1. シーテックのバイオマス発電への取り組み
2. バイオマスのエネルギー変換技術
3. バイオマスの直接燃焼
4. バイオマスのガス化技術

所 感
森林バイオマスは、近い将来、欧米と同じようにコジェネプラントの燃料が主力となっていくと思われる。そうなった場合、現在のバイオマス燃料の量だけでは、必ず不足することは明らかである。現在、放置された森林の未利用のバイオマスをいかに効率よく集荷し、安価に出荷できるかが重要になってくる。しかし、日本の山林事情は人件費の高さからも非常に悪いと言われている。しかし、バイオマスエネルギー利用の推進が、日本の山を守り、自然を守ることにつなげていく唯一の手段ともいえる。(多治見氏講演総評より抜粋)
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