第11回EPOCセミナー(経済産業省委託事業)
***「平成16年度 循環ビジネス人材教育セミナー:環境リスク管理T」***
 
【はじめに】
photo 中部地区の各企業は、今日の国際競争激化の中でも、環境問題に配慮しつつ力強い経済発展をしてきました。そして、今後とも、環境問題への認識、有害化学物質、廃棄物に対する環境リスク管理といった、環境経営の更なる推進が求められています。
そこで、EPOCでは、各企業の経営者層、管理者層、実務者層を対象に、環境経営に関するさまざまな知見や情報を提供する「循環ビジネス人材研修セミナー」を3回にわたり開催いたします。
今回のセミナーでは平成15年度経済産業省委託事業「循環ビシネス人材育成・循環ビジネスアドバイザー派遣事業」研修用テキストにそって、講義形式で講演頂きました。このテキストは環境経営の利用促進を図り、その実践的展開に資するための情報提供の一環として、環境経営の実践に有効な環境管理手法等の研修を全国的に展開することを目的に作成されています。さらには、事業活動に伴う環境経営上の問題の予防や解決に役立つための参考書として、実用性と分かりやすさに留意して執筆・編集されています。
また、「廃棄物・リサイクルガバナンス〜産構審ガイドラインのポイント〜」という題で、経済産業省リサイクル推進課のご担当の方から、近年における大規模不法投棄事案と、それらが排出事業者にとって経営上大きな打撃となったこと、そしてそれを防ぐため企業としてどう取り組むべきかを、産業構造審議会ガイドラインのポイントを中心にご説明頂きました。
 
開催日: 平成16年 11月 18日(金)9:30〜16:30
会 場: (株)豊田自動織機 シャインズ
愛知県刈谷市東陽町二丁目18番地
主 催: 環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
 
《プログラム》
9:30〜9:35 主催者挨拶(環境パートナーシップ・CLUB)

9:35〜10:00 「廃棄物・リサイクルガバナンス〜産構審ガイドラインのポイント〜」
photo経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課 
調査係長 丹下 聡 氏

講演概要:
1.近年における大規模不法投棄事案と企業経営リスク
2.排出事業者の責任強化に係る法規制の動向とCSR(企業の社会的責任)
3.廃棄物・リサイクルガバナンスとは?
4.廃棄物・リサイクルガバナンスの実践に向けて
5.廃棄物・リサイクルガバナンスの普及に向けて
を論点に、ご説明頂きました。

産業構造審議会がH16年9月ガイドラインを策定。廃棄物問題に企業経営の観点からいかに取り組むか、という観点から「廃棄物・リサイクルガバナンス」という概念を提案。そのポイントは@全社的な体制とすること、A広範な関係者と連携をとること、B自らの取り組みを顧客・消費者や投資家、地域社会へ情報発信・情報共有すること。

10:00〜12:30 【環境リスク管理T−1】「日本・海外の有害物質管理と法規制」
photo(株)日立製作所情報事業統括本部推進センター
シニア・マネジャー 神田 英治氏

講演概要:
1.有害化学物質管理の歴史と問題点
2.有害化学物質に係る事故例と管理体制整備事例
3.有害化学物質管理の新制度とリスク管理
4.有害化学物質の排出抑制対策
5.有害化学物質に関する法令・規制

テキスト執筆者による講演。化学物質管理に関わる最近の事故事例、海外化学物質規制強化事例、有害化学物質の管理体制整備事例など、実例を多く説明頂きました。特に、日立グループの化学物質リスク管理の紹介は、最先端企業の真摯な取り組み姿勢がよくわかりました。

13:30〜16:30 【環境リスク管理T−2】「リサイクルシステムと法整備」
photo(株)日立製作所情報事業統括本部推進センター
シニア・マネジャー 神田 英治氏

講演概要:
1.リサイクルシステムの概念
2.リサイクル技術
3.業種別リサイクルの取り組みと個別リサイクル法

質疑応答
Q:リスクコミュニケータの育成方法は?
A:日立グループ全体としては、外部から専門家を招聘。各グループは、お互いの情報交換を行っています。

リサイクル技術と循環ビジネスの動向、産業廃棄物のリサイクルと法規制などを説明頂きました。特にリサイクル要素技術の具体例は、講演者の豊富なご経験に基づき幅広い産業におけるリサイクル技術の紹介であり、シーズ探索という意味でも興味深い講演でした。
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