海外交流

海外交流分科会 意見交換会ご報告


日時

2020年1月29日(水曜日) 13時30分〜17時

会場

株式会社LIXIL 榎戸工場

参加者

17名

目的

「海外における環境への取り組みについて勉強する」というテーマで、株式会社LIXIL様にご協力を頂き、LIXIL様が世界の衛生環境向上を目指して取り組まれている「みんなにトイレをプロジェクト」についてご紹介を受け、榎戸工場内のご見学をさせて頂くとともに環境への取り組みについてご説明頂きました。

概略スケジュール

13時30分〜13時40分 開会のご挨拶
13時40分〜14時50分 LIXIL様 コーポレート・レスポンシビリティ戦略、及び
「みんなにトイレをプロジェクト」ご紹介
14時50分〜15時 休憩
15時〜16時30分 LIXIL様 榎戸工場内ご見学
16時30分〜16時40分 休憩
16時40分〜16時50分 全体質疑応答
16時50分〜17時 意見交換会終了

内容

■「みんなにトイレをプロジェクト」ご紹介

LIXIL様よりコーポレート・レスポンシビリティ戦略のご説明に引き続き、「みんなにトイレをプロジェクト」のご紹介を頂きました。LIXIL様は「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」という企業理念のもと、持続可能なイノベーションを追求し、安全で快適な製品やサービスを開発することで人々の暮らしの質の向上に貢献されています。また、世界の課題の中から事業活動と関係が深い、「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」という3つの分野に焦点を当てて取り組まれています。
世界の衛生環境については、安全で衛生的なトイレを利用できない人々は約20億人にも達し、また、屋外で排泄している人や下痢性疾患によって命を落とす子どもたちが数多くいることなど、深刻な社会課題となっています。「2025年までに1億人の衛生環境を改善する」という目標を掲げられているLIXIL様はこの社会課題の解決に正面から取り組まれており、主に発展途上国での普及を目指した簡易式トイレ「SATO」を開発されました。「SATO」は安価で設置も簡単、少量の水で洗浄することが可能という特徴を持っています。この「SATO」を中心として世界中にトイレを普及させることを目指した取り組みが「みんなにトイレをプロジェクト」です。「みんなにトイレをプロジェクト」については、ケニアやウガンダ、インドでの導入事例をご紹介頂きました。トイレが学校や住居の近くにないために、教育環境が十分に整備できず貧困の連鎖を生んでいることや、川や用水の汚染等の環境悪化、治安が悪く、遠くの公衆トイレまで移動する際に犯罪が多発してしまっていることなど、世界各地の深刻なトイレ事情に対し、LIXIL様が「SATO」を普及させることによって課題解決を目指されていることなどをご紹介頂きました。

■榎戸工場内ご見学

榎戸工場では陶器トイレの生産をされており、その製造ラインを見学させて頂きました。原材料である粘土や鉱物の粉末を型に入れて成形し、焼成や乾燥、釉薬を吹き掛けることでトイレが完成するという一連の工程を丁寧にご説明頂きました。また、工場内のショールームでは、これまで開発された陶器トイレの展示されており、節水性能や清掃等メンテナンスの利便性向上を目指して創意工夫されていることが良く理解できました。

■質疑応答

参加者からは、工場内の排熱利用などの省エネに関することや、埃や臭いなどの環境負荷管理に関することについて質問がありました。排出物質は定期的に測定し、工場周辺への環境負荷へ配慮されていることや、グローバルでも再生可能エネルギーの利用を開始していることなどご回答を頂きました。また、「みんなにトイレをプロジェクト」を取り組むきっかけについては、LIXIL様の既存事業の延長という発想よりも、様々な課題を解決しながらビジネスを継続していくことが求められる世の中に変化したことなどを受け、既存のトイレ事業とは異なる性格のソーシャルビジネスとして取り組むことになったとのご回答を頂きました。理解を深めることができ、有意義な意見交換となりました。


当日の様子

この度、多大なるご協力を頂きました株式会社LIXIL様に心より御礼申し上げます。

以上